誰かの好きを食べている vol.8 -kabi 目黒-

大学生の時に
なんの雑誌だったかkabiが紹介されていて、

東京に憧れる私はいつか必ず…
とGoogle Mapにハート印をつけて淡い期待を募らせていた。

それから数年、少し大人になって
ようやく実現した夜はとても素晴らしいものでした。

店内はL字型のカウンターと4人席が数個。2階にはバーもあるそう。


手紙のように渡される品書きは詩のように余白があり、
どんな一皿が運ばれてくるのか想像するところから楽しい。

前菜、牡丹海老、白和、鱧、夏野菜、鰻、真鯛、漬物….

食材の名前を頼りに頭の中で楽しみを膨らませていく。

夏野菜。小さな器にいっぱいの夏が詰まっていた。
牡丹海老。舌の上で五味が絡まっていく…旨っ!!


そして、カウンターから見える盛り付けの工程が進むにつれて
予想だにしない一皿が現れて、

驚いて、美しくて、美味しくて。

盛り沢山だと思っていたコースは、
ワクワクする映画のようにあっという間。

鰻。皿が空になることを惜しみながらパクり。
鱧。あなたの旬の時期がまた恋しいです。


一杯一杯のグラスに注がれるワインと生産者の話には熱が籠る。

心地良い満腹と酔いを感じながら
kabiの世界に入り込んでいく。

ペアリングではコース料理に合わせて、日本酒やその他のお酒も出しているんだとか。

有難いことに私たちは、
簡単に気軽に美味しいを手に入れることができるような時代に生まれた。

ワンコインあれば胃は満たせるし、生きていける。


だけど、いつになっても
人が丹精を込めて作ったモノは記憶に残るし、
触れた人の心の糧になるんだと肌身で感じた琴線に触れる夜でした。

ごちそうさまでした。

<お店の詳細>
kabi
営業時間:火、水、木、金 19:00 ~
     土       12:00 ~, 19:00(全日、コースでの提供のため要予約)
定休日:日曜日、月曜日
支払い方法:現金、カード、電子マネー
住所:東京都世田谷区宮坂3丁目9−4
アクセス:〒153-0063 東京都目黒区目黒4丁目10−8
JR山手線 目黒駅から徒歩約16分
東急バス 元競馬場前(バス停)から徒歩1分
instagram:https://www.instagram.com/restaurantkabi/

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