扉を開けると、
影の隙間から椅子が覗いている。
サイコロをパカッと展開したような
艶やかに光る黒い椅子。
床はコンクリート、サイドテーブルは石と木でできたものが2つ。
カーテンは麻だろうか。手前には緑もある。
決してモノが多いわけではないのだけれど、
随所に品の良く佇む家具や布、仕切りなどに違う素材が散らばり、
空間が色彩豊かに写る。
猛暑が終わりに向け勢力を振るっていた8月の中旬。
東京は日本橋兜町にあるホテル「K5」に泊まった。
この辺りは休日に遊びに来たり、
食事に来たりでしばしば訪ねる機会があったが
ホテルの地下1階にあるビアホール「B by the Brooklyn Brewery」
を何度か利用したことがきっかけで、ホテルの存在を知った。
東京に住んでいるので、都内でホテルに泊まる機会はほとんどないですが
たまにの贅沢と自分たちに暗示をかけて泊まってみることに。
クラシックかつ堅牢な外観な建物は100年前は元銀行だったそうで
そちらの外観は残しつつホテルとして生まれ変わったそう。
入り口を潜ると
左手にはカフェ(Switch Coffee)、右手にはバー(Bar Ao)、
そして正面のフロントで自然体な笑顔を向けてくれるサービスの方が現れる。
入った瞬間にきっといい1日になることを予感する。
荷物を預かっていただき、
まずは隣のBar Aoで簡単な説明とウェルカムドリンクをいただいた。
Bar Aoの空間は、日中にはホテルのラウンジとしても機能しているそうで
ここにある本は部屋にも持ち込めるそうだ。
赤い空間には、大量の本とお酒、品のいい調度品が並んでいる。
部屋の種類は7種類ほどあるが、
今回は「Studio」というタイプの部屋に宿泊。
部屋には20枚のレコードとプレイヤー、数冊の本
ワークデスクにコーヒーケトルといった部屋でゆっくり過ごすためのものが
1式揃っている。
何より空間と香りが居心地が良い。
もう1泊…いやもう2泊と延泊したくなるのは私だけではないはず。
食事は外でいただいたので、翌朝に1階にある
「SWITCH COFFEE TOKYO」でカフェラテをいただいた。
ホテル一帯は、飲食店もバラエティに富んでいるので
朝から晩まで美味しいものにも困らないだろう。次の滞在は何を食べようか。
変わっていくものと変わらないもの。
両者が時に時代を超えて交錯したり、積み重なったり、吸収したりしながら
その土地の文化が形成されていくのだとしたら
K5は、そんな文化の案内所を
担っていってくれる場所なのかもな。
だって、来る前よりもこんなにもこの町への愛着は増しているのだから。
<たてものInto>
K5
公式サイト:https://k5-tokyo.com/
instagram:https://www.instagram.com/k5_tokyo/
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